【20日目】ロストバゲージの処理2
昨日は、日記の途中で話を辞めてしまいすいませんでした。昨晩は、久しぶりに飲みにいって帰宅したのが 12時を過ぎて、でも日記は更新せねばと思い頑張ったのですが、飲みすぎたのと昨日は朝の5時から仕事 で4本仕事があり体が日記を終了するまで持ちませんでした。すいませんでした。昨日はメルボルンにある六羅里喜( むらさき)レストランで豚なべを食べました。寒いメルボルンには最高の鍋料理でした。
では昨日の続きを話します。カンタス航空に4時に確認した後、お客さんから4時40分に電話があり、現状を 説明して、荷物の捜索は続けるが、今日中に発見する可能性は少ないのでとりあえず下着類や洗面道具 を60ドル分購入してもらうよう案内する。その際、レシートを必ず貰うようお願いする。ただ60ドルだけでは コートやセーターは購入できない。このお客さんは明日ペンギンパレードに参加するが、ペンギンパレードは 海岸線でペンギンが上陸してくるのを30分程待つので、トレーナーだけでは、とてもじゃないが寒さに耐えれ ない。なので、仮に明日になってもスーツケースが見付からない場合は、僕の彼女のコートをお貸しして、 しのいで貰うよう提案をする。
今回の事件はお客さんの責任でもないし、旅行会社の責任でもない。カンタスの責任かどうかは、現時点ではわからないし、カンタスは1日60ドルしか支給してくれない。こうなった場合は、正直会社のルールとか 誰かの責任とかは一切関係ないと思う。それよりも、誰が今の現状で困っているのか考える必要がある。 そうすると、一番困っているのは、何の責任もないお客さんだ。こういったケースは、僕が思うにはツアー ガイドとお客さんの関係ではなく、人間と人間の関係が必要だと思う。困っている人には、自分が出来る 限りの手助けをするのが当然だと思うので、杓子定規にカンタスが60ドル保証を出すので、それで何とか して下さいと言うだけでは寂しすぎると思う。
それから、お客さんには、必要な物を購入して貰い、夜の10時まではカンタスのバゲージクレームカウ ンターのスタッフから連絡を待ち、最終的に夜の10時に、もう一度確認の電話を入れることで了承して もらう。また、スーツケースの中に貴重品等入っているか確認を取り、クレジットカードが入っているかも 知れないと言われたので、至急カード会社に連絡して使用を止めて貰うよう案内する。その後、もう一度 カンタスに連絡を入れ、もし見付かった場合には、必ず連絡を入れてもらえるよう、コンピューターに僕の 携帯電話を入力してもらうようお願いする。
その後、夜の10時になってもカンタスから連絡がなく、お客さんに本日最後の連絡をする。その際、お客さんは残念がっていたが、ツアーガイドとしては、お客さんを慰めつつ、今後の予定を説明しなければ ならない。明日は都合よく、空港に朝から仕事で行く事があり、そこでもう一度確認する事と、最悪みつからなかった場合に、コートをお貸しするので、お会いする場所と時間を伝える。こういったことをお客さん より先に、想定される次の一手をお客さんにわかり易く説明しないと、ツアーガイドに対してお客さんは不安になったり怒ったりしてくる。こうなると最悪のケースだ。ツアーガイドや旅行会社に責任は無いのに 全てが旅行会社の責任だと言い始めてしまうのだ。これは、お客さんにとっても旅行会社にとっても最悪の状態になる。そうなるかならないかは、ツアーガイドの力量次第である。
翌日、空港に別のお客さんを送りに行き仕事が終了後、バゲージクレームカウンターに行き、見付かった か確認をするが、見付かってないらしい。これは、非常に珍しいケースだ。通常、少なくとも2.3時間で どこにスーツケースがあるか分かるのだ。しかし1日たって、どこにスーツケースがあるか分からないと いうのは、非常に稀なケースで、もう一つ別のケースを考えなければならない。それは、お客さんの荷物が他のお客さんが間違って持って帰ったケースだ。これは、日本では考えられないが、オーストラリアでは 荷物をピックアップした後の、チェックはないのだ。だから、同じ型や色をしたスーツケースは間違って持っていく可能性があるのだ。
その後、お客さんに電話をして、朝の時点で残念ながら見付かってない事を伝え、待ち合わせ時間を確認する。その後、オフィスに戻った時に、携帯電話が鳴りカンタスからお客さんの荷物が見付かった連絡が入った。理由は、やはり別の方が間違えて持って帰ったらしく、今朝になって返却に来たらしい。
ここでツアーガイドは喜んでばかりではいられない。そこで一つ考えなければいけないのが、今回のケースはカンタスの責任ではない事だ。ということは昨日購入した60ドル分の下着類はカンタスが保証 してくれるかどうか確認する必要がある。その質問をすると、間違いなく保証してくれるそうだ。但し、 本人が必ず直接カウンターにパスポートを所持して来なければならないらしい。それは、街中にあるカンタスの営業所でも、国内線のカンタス航空でも、日本のカンタス航空でもいいと説明を受ける。
その後直にお客さんに連絡を入れ、スーツケースが見付かった報告を入れると本当に喜んでくれた。 ただし、ここでもツアーガイドはお客さんと一緒に喜んでいるだけではいけない。まず、スーツケースは 1日以上知らない人の手元にあったわけだから、中身の何かが盗まれている可能性があるので、荷物が ホテルに到着したら必ず確認して貰うよう伝える。また、カンタスがスーツケースを11時までに運んで くれると言ってるが、これは正直、僕の経験上では後れる可能性があるので、その時に備えて、コートを お渡しする時間をもう一度確認する。予定通り進んでも11時までは、荷物は届かないので、お客さんにはフリータイムを楽しんで貰い、12時に一度ホテルに戻ってもらい届いたかどうか確認して貰う。
その間、10時30分頃にホテルに電話をして荷物が届いたか確認すると届いていた。その後、お客さんから 12時連絡があり、無事荷物が到着したことを確認する。また荷物を確認してもらい無くなった物がないか調べて貰うと、現金1万円が無くなっていると言われた。ただ、現金の場合は、なんの証明もないので、 保険でカバーされない事を説明し、もし希望なら警察で盗難証明書を出す事も可能だが、どうしますかと 聞いたが、必要ないと言われる。それから、お客さんには荷物が無くなるケースはよくあるので、今後は 貴重品をスーツケースの中に入れないよう案内する。そして最後に60ドルの保証金を街中で請求するか 出発日の空港で請求するか聞くと、出発日に請求することで終了した。
では月曜日に無事にお金が帰ってくるか楽しみに待っていて下さい。